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「彼女はたぶん魔法を使う」 樋口有介

「彼女はたぶん魔法を使う」 樋口有介

創元推理文庫ってことで、一応ミステリ。
元刑事で、私立探偵の柚木草平が、被害者の姉の依頼で女子大生ひき逃げ事件を
調査します。最初はせりふがかっこつけすぎだよ、と気になりましたが、
読んでいくうちにそんなでもなくなります。謎解き自体はそんなに主ではなくて
調査で見えてくる人間関係の物語が本編なのかなと思います。

見せるものがひとつに絞られていないように感じ、ちょっとぼやけているかなとも思いましたが
続きが気になるので、まぁまぁ面白かったのだと思います。
主人公は38歳。おじさんの青春小説といったところでしょうか。

「いつか王子駅で」 堀江 敏幸

「いつか王子駅で」 堀江 敏幸

主人公の視点から、日常を丁寧に切り取った小説です。
雰囲気は、人情が残る昔に感じられるのですが、いくつかの記述から
ほとんど今であると思います。それにもかかわらず、登場人物には
優しさがあり、ゆったりとした時間が流れていきます。

話としては、主人公が飲み屋で知り合いの忘れたカステラを届けようとする、
といった流れがあるのですが、そんなことより雰囲気が大好きになってしまいました。

そして、ゆっくりとした中で一気に緊張感が高まるラスト、そこですぱっと終ることにより、
この世界はまだ続いていくんだなというイメージを受けました。

あんな、平和な日々を送れるのなら自由業ってうらやまし。
(多分違うだろうけど・・・)

「箱崎ジャンクション」藤沢 周 著

「箱崎ジャンクション」藤沢 周 著

別居中で病んでいるタクシードライバーの進展しない退屈な日常。
別会社のタクシードライバーと入れかわったことから、少し振り切るように現状が進展します。

前半3分の一ぐらいは、読んでて気持ち悪くなるような内容でしたが、
入れ替わったあたりから、何でこんな話になるんだ、という感じに
先が気になるようになりました。

前半からは考えにくいけれども、それないにちゃんと終ります。

不可解なものが多数あるところが、作り物感を感じさせないです、

「吉田自転車」吉田戦車

「吉田自転車」吉田戦車

漫画家の吉田戦車氏がかく、ゆるめの自転車エッセイ集。
まず、タイトルでやられました。このペンネームでしかできないです。

内容は、著者自身が近所からやや遠くまでを自転車で散歩するエッセイです。
大変な、走破を行ったりするわけでなく、ちょっと出かけて食事したりするなど
日常の自転車です。

たまには、自転車に乗るのもいいかなと、思い出させてくれます。
まぁ、私は良く乗ってるのですが・・・

「さよなら妖精」 米澤穂信

「さよなら妖精」 米澤穂信

作者は、「日常の謎」的なものを多く書いていて、本書もミステリに分類されているが
これはほかの作品とは、異なっていると私は思う。

テーマはいくつも含まれているとは思うけれども、
ひとつ大きなものは、「なにかしたい」「なにかできるはず」と思っている人への
一般的な答えを見せていることではないかと思う。

あまり、内容に触れてしまうと読んだときの心情に影響が及びそうなので、
このへんで。

「楽園 戦略拠点32098」 長谷敏司

「楽園 戦略拠点32098」 長谷敏司

どこかのWebページで、紹介されていたので読んでみました。

舞台は、宇宙が2分されている戦争の中、重要な戦略拠点とされているが
実際は少女と兵士が二入だけで暮らしている惑星。
そこに、敵側の兵士が降下してきます。

戦略拠点のはずなのに、なぜ何も無いのか。
しかし、あることから惑星の存在理由を知ってしまいます。

戦争中のお話ですが、戦闘は発生しません。
自分を内省し、大切なものは何なのか、失くしてしまった物は何なのかと
考える物語です。

物語の結末も、切ないですが、あとがきはもっと切ないです。

ページの紹介を見て、期待していたほどではなかったけれど、
なかなか良かったかなと思います。

ただ、5年前の本なので、古本屋で探すしか・・・

「地球の静止する日」 ブラッドベリ、スタージョン他

「地球の静止する日」 ブラッドベリ、スタージョン他

SFのアンソロジーです。
SF映画の原作を集めてあって、わりと見ないものが入ってるとのことですが、
どれが有名とかあまり知らないので、とりあえず何でも良しです。

いろいろ入っているので、どれがどう面白いとかは大変なのでパス。
全体的な感想としては、たまには大きく違うの読んでみるのも楽しいなと。
とりわけ、「殺人ブルドーザー」は読んでてどきどきするものでした。
英語タイトルがkilldozerってのはうまいですね。
それと、映画撮影の記録である「月世界制服撮影始末記」も
SFとは違いますが面白かったです。

どれも面白かったですが、「ロト」だけはいまいち分かりませんでした。
SFが嫌いでなければ。

「クライマーズ・ハイ」 横山秀夫

「クライマーズ・ハイ」 横山秀夫 著

一九八五年の御巣鷹山墜落事故発生、地元紙の遊軍記者だった悠木は
事故に関して全権デスクを任されます。男の人生の晴れ舞台であり、岐路でもあります。
紙面を作るにあたって、社内の派閥争い、過去の因縁絡み、一つ一つ突っ走り決断していきます。

ここで、悠木は突っ走りつつも、過ちを恐れて決断できなかったり、一度出したことを引っ込めてしまったり
熱く仕事をしつつも、けして超人的には書かれていません。このことが、読者に親近感を持たせ
同じ事務所にいるような臨場感を与えてくれるのかなと思います。

結構厚めな文庫ですが、力強く引き込まれ一気に読んでしまいました。
読書が苦手でなければ、お勧め。

「赤×ピンク」桜庭一樹

「赤×ピンク」桜庭一樹

 廃校を改装したファイトクラブで戦う3人の少女のそれぞれの事情。
3者の視点から、大体同じ時間帯の出来事が語られていきます。
怪しいファイトクラブという設定は、変わっていますが、語られている内容、少女の悩みは
小説ではありがちというか、まともな内容なので、
ホントのところはそんなに変な小説ではないと思います。
設定のおかしさに覆われてしまっている感じです。

同じ時間を、別々の視点から見るというのは、好きな感じなので、
そこはまる。ほかは、いまいち。

「優しい秘密」村山由佳

「優しい秘密」村山由佳

おいしいコーヒーのいれ方、シリーズの8作目です。

基本的には、かれんとショーリの恋愛物語なのですが、
ホントに、ちょっとずつしか進まないんで、いったい何巻まで出るんだろうって感じです。
出る間隔も空いているので、前回の話とか忘れてしまっているような。

当初、買ったころのように面白く思えないというか。

それはそうと、作者は乗馬したり、農業したり
やたら元気です。作品の中身とは大分違うような。