「廃墟ホテル」 デイヴィッド・マレル 著
都市探検者と呼ばれる、廃墟を探索する人々の恐怖の一夜。
教授一行と、取材の新聞記者がかつての豪華ホテルを探検します。
序盤は探検気分。ちょっと薀蓄があったり、過去への思いをはせるような部分があったり。
先に何が待っているのかという期待も含めて、なかなかわくわくします。
中盤からは、雰囲気が変わって、ホラーとアクションに比重が移されます。
これはこれでいいのですが、場面転換が激しく、舞台が大きいホテルであるにもかかわらず
見取り図は提示されないため、ちょっとわかりにくかったかなと思いました。
全部終わった際の感想としては、映画のようだったかなと思います。
普通な結末であったことも含めて。
意外によかったのは、作者による解説です。
都市探検についての、例や作者の思いが詰まっていて、
短いですが、面白かったです。廃墟探検したら、
こんな気分なのかな?というのを伝えてくれました。
訳書ですが、大体において読みやすいです。
登場人物のやり取りは、海外作品なのだなと思わされます。