「1980 アイコ 十六歳」 堀田 あけみ 著
ちょっと昔(多分タイトルどおりの1980)の女子高生三田アイコの
夏から冬までの、にぎやかかつ悩み多い学園生活が描かれています。
作品中で、アイコは結構色々悩むのですが、その描き方が、
思考をそのまま書き付けているようで、追いかけやすい。
皆がいろいろ考えてるのだと、共感しやすくなっています。
しかし、この作品で一番印象深いのは、新装版へ向けてのあとがきでした。
最初のあとがきから25年後、19歳の時のあとがきから、一気に時間を飛び越える感覚。
全てが一気に過去になり、流れた時間を思わせます。
映画のラストで、現実に戻る(スタンドバイミーのような)感覚です。
ストーリーは、無いのだけれど、読後感はとても良い。