「二十四時間」 乃南アサ
これは、二十四時間それぞれがタイトルとなった、二十四の短編集です。
どれも、日常からふと外れた、記憶に残り続けそうなある日のお話です。
それぞれの話はどれもすこし懐かしさが漂う、思い出を見返しているような話ですが、
個人的に響いたのは、「六時」の中の「私」が干しっぱなしの洗濯物や、コンビニの自転車を見るときに
自分には手の届かない、誰かの人生に思いをはせていること。
これを読んだとき、電車の窓から見える風景に感じていた懐かしさのような気持ちに
言葉がはまった気がしました。
それが、言いたかっただけです。