読書」カテゴリーアーカイブ

「明け方の猫」読了

「明け方の猫」保坂和志 著、を読了

表題作「明け方の猫」と、「揺籃」が収録されていました。
「明け方の猫」は、主人公が猫になった所(ただし夢の中)から始まり、
猫のまま、哲学しています。
作品中で起こることは、猫が考えごとをしながらぶらぶらしているだけ、
ともいえます。
何もおきずに、だらだらとすごして哲学する。といった、内容が
自分は好きなので、良かったのですが哲学している内容が
「プレーンソング」とはちょっと変わっているのかなと思いました。

もうひとつの「揺籃」は、読んでもさっぱり分かりませんでした。
読みすすめているうちに、前提条件がどんどん変化していって、
書いてあることが本当なのか思い込みなのかが、さっぱり分からなくなっていきます。

「夏の流れ」読了

「夏の流れ」丸山健二、読了

文章が、あまり抑揚が無いというか、簡潔というか。
こういうのを乾いた文章というのでしょうか?よくわかりません。

内容は、もう何回か読まないと分からないかなという感じがします。
よんで、残る余韻は確かにあるのですが、それがなんだかはっきり見つめられない感じです。
短編集ですし、表題作は読みやすかったので、そのうち再読するかも。

あと、値段がなぜか高いです。文庫なのに1000円以上。けして厚くはありません。

「完璧な病室」読了

「完璧な病室」小川洋子を読みおわり。

短編が3つでした。
裏表紙の紹介文のように、どのお話の雰囲気も透明な感じがするのだけれども、
筋肉、内臓、孤児院、などのキーワードが気になってしまった。

綺麗なだけじゃない普通の人なんだろうけど、それがどうなるわけでもなく
主人公が筋肉にこだわってしまうところなどに、気持ち悪いだけの印象しか
感じることが出来なかった。

評価が高い(芥川賞候補)らしいので、
支持されるものなのでしょうが、
読んで,楽しい、とは思えなかったので、
自分とは合わなかったのかなと思いました。

「センセイの鞄」読了

「センセイの鞄」川上弘美読了。

良かったです。
とくに事件も起こらない毎日が続いていって、
でもクライマックスには、たどり着いてしまう。
もしかして、もしかして、と思ってしまうような書き方で、
予想通りの結末で、でもいい余韻が残りました。

文庫だから、一気に読んでしまってしまったけれど、
連載で、時間をかけてゆっくりと読んでいたら、
もっと、感情移入が出来たのだろうなと思いました。

「動物物語」読了

「動物物語」ジェイムズヘリオットを読了。

内容は、獣医の仕事の日々と、それを通しての人とのふれあいがメインです。
それと同時に、ジェイムズ氏の人生もさりげなく進展していっています。
基本的には、ハートウォーミングな内容です。
好きな系統ですが、再読の引力があるかは微妙です。

驚いたのは、あとがきで、この人の本には熱烈な読者がいることが
明らかになったときです。作中の地名や名前は架空のものですが、
実際には作者の自伝的小説の側面が強く、実際の舞台を探訪したり
作中の人物のモデルを探求したりしているファンが多いようです。

知らない世界を覗いた気になれました。