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「サマータイムマシン・ブルース」上田 誠、進藤 良彦

「サマータイムマシン・ブルース」上田 誠、進藤 良彦(著)

タイムマシン無駄遣い!という新聞の文句が気になっていたものです。
映画(元は舞台)のノベライズ版です。
突然現れたタイムマシンを使って、壊れたリモコンを昨日へ取りに行くのですが・・・
伏線が最後の最後でしっかりとつながる(2030年タイムマシン)のもいいのですが、
楽しいのは、タイムマシンを行き当たりばったりに使ってしまうどたばた感です。
実際にあったら、こんな風になってしまうのだろうなというのが良い。

ノベライズ版ということもあるのでしょうけど、ちょっと分かりにくいです。
映像で見たほうがより面白いのではないかと思いました。

「アウトブリード」 保坂和志

「アウトブリード」 保坂和志

物事について、真剣に考えていくエッセイ。
考えている思考の道筋が、そのまま記録されているような文章です。
が、内容が理解できません。本人が書いているように思考が飛躍しているのか、
それとも、私に前提知識が足りなさ過ぎるのか。

哲学世界に近いようなので、その辺の入門書が必要のようです。
いつか再読。

やむにやまれず 関川夏央

やむにやまれず 関川夏央 著

エッセイと言うか、短編というか。
特に大きな事では無かったが、なんとなく覚えている。
そんなタイプの想い出になりそうなシーンがたくさん出てきます。

後書きの方で、やむにやまれず嘘話を書いたとあるが、
やむにやまれず、想い出を披露したのではないかと
勝手に思っています。

「チョコレートゲーム」 岡嶋二人

「チョコレートゲーム」 岡嶋二人 著

分類は、ミステリになるのだと思います。
しかし自分は、息子の無実を信じて頑張る父親の物語だと思います。
事件がおきるまでは、何も話し合えていなかった分を取り戻すように
父親は頑張ります。
真実にたどり着いたときに、取り戻せたものがあったのか。

謎解きよりも、そちらの気持に感情移入して読んでしまいました。

「マークスの山」

「マークスの山」 高村薫 著

読み終わりました。
話の骨子としては、連続殺人犯とそれを追う警察との物語です。
しかし、沢山の登場人物が自分の立場で出来ること、出来ないことを
考えている様は、組織(社会的立場)と人とをあらわしているように感じます。

何度かに分断して読んでいたので、はっきりしないところも多々あります。
もっと、読み取れてないものが沢山あるように感じます。再読が必要です。
でも、いい本でした。

「十角館の殺人」 綾辻行人

「十角館の殺人」 綾辻行人 著

どこかで、薦められたので読んで見ました。
あんまりミステリは読まないので新鮮。
自分なりに注意しながら読んでは見たものの
全然分かりませんでした。

内容は、事件がおきている島編と本土編で
一部交互になっているのですが、島の中では
登場人物の本名はまったく示されず、
ミステリ作家からとったニックネームでのみで
物語が進みます。
人物の背景なんかはあまり描写されないので
殺人が起きても、あんまり衝撃的でない気が。

謎解きの部分を読むと、うまいこと考えてあるなと思います。
が、パズルを解いておしまい、という感じがしました。

自分以外の人生、という考え方で小説を読んでいる身としては、
あまり、面白くなかった。

「見張り塔からずっと」重松清

「見張り塔からずっと」重松清 著

3つの短編です。
どれも、人が傷つくようで気持がいい話ではありません。
どうしようもない、若しくははそれなりの理由があって発生した
他人へ対しての嫌がらせ、悪意の話かなと思います。

逆にこの本のように自分が追い詰められたときに、
他人を傷つけずに済むか。と問われているような気もします。

そういう意味で、読んでて痛い本でした。
1つ目のマンションの転入者へのいじめの話は、特に。

あとがきにありますが、表題作はありません。
見張り塔から見ていた、世界の出来事。
という意味なんだろうと、思います。

「半落ち」横山秀夫

「半落ち」横山秀夫 著

映画化もされていて、評判も高い作品です。
妻殺しで自首してきた警察官の2日間の空白を追いかける内容です。
追いかける人も、それぞれの立場から出来ることをして、かわるがわる
2日間の真相に近づいていきます。

正直なところをいうと、落ちががっかりでした。
もともと、2日間の秘密が話のキーポイントであり
これで1冊引っ張っているのですから、期待ばかり大きくなって、
という分はあると思います。
しかし、もう少し一般的に共感を得られる何かがなかったのかなと。
もしくは、匂わす程度で「半落ち」のままのほうが良かったな。
そこまでが面白かった分、ちょっとがっかりです。

「ブルースカイ」 桜庭一樹

「ブルースカイ」 桜庭一樹

真っ青な表紙と、タイトルで買ってしまいました。
帯の文字を持ってちゃんと見ておけば、読後感も違ったのですが。

最後の1日で世界を駆け抜けた、少女のお話?でいいのかな。
中世の魔女狩りの嵐が吹き荒れるドイツ、ちょっと未来のシンガポール
それぞれに、影響を与えて通り過ぎていきます。それぞれに、ちょっとは救われたのかな。
最後の1日は、さわやかで悲しいラストです。

失うものがある物語は、読後に考えてしまいます。

ところで、ここに出てきた世界(特にドイツ)は、まだ謎が残ってるような気がしますが、
これで終わりなのかな。シンガポールの世界の中のゴシックの世界は、ドイツとはべつ(なはず。)でいいのかな。

など、ちょっと?な部分があります。本にかかれていない世界の外があるってことなんでしょうけど、
著者の他の作品で補完できるのかな?

「暗いところで待ち合わせ」

「暗いところで待ち合わせ」 乙一

主人公が、他人の家に潜んでいる部分の設定が面白いです。
謎解きの部分は、何だかとってつけたような感じを受けましたが、(意外な伏線とも言うのか)
ストーリ全体としては、読後感も悪くなくよかったです。ただし、とっても分かりやすいです。

主人公の内面は、かなりしっかりと描写されているのですが、
その他の人(登場人物は少ないですが)はあまり、出てこないこともあって、
ちょっとぼやけているような気もします。
主題はそこではないので、あえてそうしてあるのかもしれませんが。

あっさり読めて、面白いです。
アイデア勝負な気もするので、繰り返すかは微妙です。