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「地球の長い午後」

地球の長い午後 ブライアン W オールディス

おそらく今よりずっと未来に、地球の自転が止まり
植物が大繁栄して、人間がちっぽけに退化してしまった時代の物語です。
やたらと、危険な世界をサバイバルしていきます。

 この本のメインは、とても変わった世界設定だと思います。
植物が動物のように進化していて、やたらめったら好戦的になっています。
 人間からはだいぶ知性が失われていて、細々と暮らしています。

 主人公達は、ほとんど流されるままで、序盤に張られた伏線のようなものも
最後にちょこっと出てくるのみなど、話としてはどうなのかなと思います。
 動物並になっている主人公にも感情移入は難しいです。

個人的には、ストーリが弱いのでいまいち。

「今はもういないあたしへ…」読了

「今はもういないあたしへ…」新井素子著

表題作以外に、もう1編「ネプチューン」。

どちらも、いまいちな気がしましたが、
どちらかといえば、「ネプチューン」のほうが面白かったです。
一応、興味をそそるストーリーと設定があり、登場人物が動いていくので。

表題作のほうは、ある程度先が読めてしまうし、
なんだか、気もち悪さばかりが印象に残ってしまった。
少なくとも自分はダメでした。

昔、同じ作者の「グリーンレクイエム」を読んだときは、
結構引き込まれたのですが…

「コーヒー党奇談」読み終わり

「コーヒー党奇談」阿刀田高著

短編が、いくつも入ってるのだけれども、どれもうまいです。
ちょっとした、不思議な話を絡めていますが、落ちがすべてというわけではなく、
情景や人物の描写など、細かいところまでしっかりしています。

他人の人生の、ちょっとしたイベントを覗き見た気分です。

とても読みやすいので、結構お勧め。

サマー/タイム/トラベラー 2終わり

「サマー/タイム/トラベラー」2巻読み終わり。

読後感は、割と切ないかも。

1巻の序盤と、2巻のラストだけで
途中の色々はいらなかったのではないのかなとも思います。
そうすると、作者の言う青春の部分がなくなってしまうのかもしれないけれども。

エピローグがちゃんとあるのは、個人的に大好きです。

1巻の頭に戻りたくなるので、再読することはあるかもしれない。
もう一度読むと発見がある構成かもしれない。
でも、読みづらいんだよなぁ。

サマー/タイム/トラベラー 1終わり

「サマー/タイム/トラベラー1」新城カズマ
を、読みました。

未来へ跳べる女の子とその周辺の物語です。

1巻だけでは、物足りないと思いました。
別に分量が少ないとかではなくて、話が動き出してない感じ。
起承転結の”起”があってあとほったらかしみたいな感じです。

雑学っぽいなにか(特に本に関して)や、難しい言葉での比喩
それと、本編に関係あるのだかないのだか分からない、伏線のようなもの。
話の本筋の周りに、どっさりといろいろなものがついているような感じ。
それと、ちょっと文章読みにくいかもしれない。

結末は、ほのめかされているので、いっそう2巻が待ち度おしくなるでしょう。
2冊一緒に買ってよかった。

#挿絵のやる気なさそうな表情はとても良い。と思った。

「小僧の神様 城之崎にて」読み終わり

「小僧の神様 城之崎にて」志賀直哉 読了

いくつかの短編が入ってます。

どれも、昔の白黒の映画でも見てるかのような印象を受けます。
なんだか、懐かしいようなノスタルジーな気分に浸れました。
テーマとかは考えてません。

城之崎にては、教科書で昔読みました。
命について何か考えさせるような、串刺しの鼠を川で溺れさせている様子は、
誰でも何か思い当たることがあるような、似たようなことやってて、
人間も本能は、そういうところあるんだろうなあ、と感じる描写、だと個人的には思います。
(全然まとまらない。何を書きたいんだ。)

この感じるもやもやを、言葉に落とし込めればそれは理解したことになるのかもしれない。
けど、何か色々なものを削り落として、言葉で表現出来る物だけが残っただけな気がする。

うまく言えないので気になる人は、読んで感じてください。

「図書室の海」読了

恩田陸の「図書室の海」を読み終わりました。

短編集で、作者のほかの作品と関係あるものと無いものが混ざっています。
他の作品とつながりのあるものでは、「六番目の小夜子」の以前の話などがあリました。
そんなに深いつながりがあるわけではないのですが、この後どうなるんだろう、
程度の興味を喚起される感じで、ちょっと違いますが予告編のようです。(と思ったら、解説にも同じことが…)

その他にも、短編がいくつか。
話ごとに、変わった設定なんかがあるようなのですが、その辺が良く分からなくても
楽しく読めます。

#なんか、恩田陸の本ってライトノベルっぽいような気がします。
#定義は知りませんが、何ででしょう。

「きよしこ」読了

重松清の「きよしこ」読み終わりました。

「少年」が子供から、おとなになるまでを
ダイジェストに書き綴ってあります。

それぞれの時代事に、それぞれ心に触れてくるような
エピソードがあり、常に家族の様子が描かれつづけていて、
他人の人生を覗き見しているような、そんな読み方をしました。

自分にもあったかもしれない(無かったけど)思い出と青春の日々の
記憶を重ね合わせて読むと、昔懐かしい気持に浸れます。

ストーリーが強く提示されているわけではないので、読む人の経験立場によって、
受け取る印象が変化しそうな本ですが、お勧めです。
いまなら、本屋の新刊コーナーにあります。

「ジェニーの肖像」読了

ロバートネイサンの「ジェニーの肖像」を終わりました。

「ジェニーの肖像」他1編の構成なのですが、
後半の方のお話は、訳が悪いのかどうか、読みづらかったです。

 前半のジェニーの肖像は面白いです。

 ささやかな、喜びと、失うことが分かっている諦めと、
そして、実際の喪失と。どちらもおなじような話なのですが
ジェニーの肖像のほうが、良くまとまっています。

ミステリーでもないし、何に分類されるんでしょう。
幻想文学?

「推定少女」終わり

「推定少女」桜庭一樹 読み終わり
床屋で待っている間に終了です。分量はそんなに多くない。

内容に関しては、話全体の流れが決着ついたようなついてないような。
テーマに関しては決着してるのですが、お話のつじつまがどう合ったのかわからないです。

親に対しての気持や子供の言いたい事を、登場人物が代弁してくれていて、懐かしさを感じました。
(共感、でなく懐かしいということは、子供の心を失ってしまったのか。)
それと、現実からちょっとはなれた非日常がミックスされて、きっともっと若ければ
心から楽しく読めたのかもしれないです。

今は、ゲームのシーンのつなぎ合わせ、とも見えてしまって、
ちょっと気になる…

つまらないというわけではなく、むしろシーンごとでは良いのですが、
終盤の風呂敷のたたみ方が、気に入らないというか納得いかないかなぁと。