「宇宙の果てまで」 小平 桂一
ハワイマウナケアに建設された、すばる望遠鏡のできるまでの日々の記録です。
著者はこのプロジェクトに20年の歳月を掛けて成功させました。
宇宙を見る望遠鏡なんていうと、夢一杯ロマン一杯な想いを抱いてしまいますが、
実際に建設の調整やら、予算やらをめぐる話は、かなり泥臭いことになっています。
国の予算ですから、お役人しだいであり、政治的能力が問われるような世界です。
夢やロマンから一番遠いところの話に思えます。
足掛け20年分の日記、かなり深いです。
「宇宙の果てまで」 小平 桂一
ハワイマウナケアに建設された、すばる望遠鏡のできるまでの日々の記録です。
著者はこのプロジェクトに20年の歳月を掛けて成功させました。
宇宙を見る望遠鏡なんていうと、夢一杯ロマン一杯な想いを抱いてしまいますが、
実際に建設の調整やら、予算やらをめぐる話は、かなり泥臭いことになっています。
国の予算ですから、お役人しだいであり、政治的能力が問われるような世界です。
夢やロマンから一番遠いところの話に思えます。
足掛け20年分の日記、かなり深いです。
「夜明けまで1マイル」 村山 由佳 著
著者お得意の、恋愛に、青春プラス。
バンドの夢と、恋の両方に悩む青春です、ただし、恋愛は不倫。
先の見えない不倫関係と、バンドメンバーのうち一人だけが見出されて、解散の危機。
この二つが、柱になって進んでいきます。
途中は実際に読むとして、結末はとりあえずひと段落という感じ。
青春一杯な読後感です。
が、ふと気がつきました、バンドの話はひと段落着いたことになってるのかなぁ?
その点以外は、満足。
「ワセダ三畳青春記」高野 秀行
著者がかつて住んでいたアパートを中心にすえた、とても密度の濃い青春記です。
しかも、青春時代が長い。
ワセダ探検部メンバーと、アパートの住人がメインであり
著者の外国へいったときの話などは一切無いのですが、それでもこんなに色々なことが
あるのかと思います。逆にこれだけ強烈な日々を送った分、
青春の終わっていくさみしさが、後半じわじわと効いてきます。
自分たちはこれに比べるべくも無い、平凡な学生時代をすごしていました。
合致するのがコタツでキングギドラぐらいです。
それでも、みんなでだらだらと同じような環境で似たような方向を見ていたころがあって、
卒業後、あのころが思い出になってしまっている今にいる、というのを
重ね合わせられます。
たとえこんなに強烈でなくとも、なんとなくでも青春時代を送った人なら、
この本を読んで感じられるものがあると思います。
笑いと涙が一緒にある本です。かなりお勧め。
「急な青空」南木 佳士 著
現役の医師による、エッセイ集。
医師だからといって、病院や医療に関するものではなく、
どちらかというと、田舎暮らしの内容が主です。
信州の田舎で、肩の力が抜けている生き方が、
読んでいる方にも伝わってきます。
心が綺麗になった気がします。
同じ著者の「医学生」もかなり良いので、お勧めです。
「太陽の塔」 森見 登美彦著
「休学中の五回生」の妄想いっぱいの、一人称日記として書かれている、
青春(私?)小説です。
主人公が、振られた彼女を「水尾さん研究」として、観察し続けている
ことが発端ですが、そのうち話はなんだかわからない、妄想エネルギーの
無駄遣いのような方向へ流れていきます。(表面的には)
巻末の事件を除けば、(対外的には)たいしたことの無いことが
積み重なっていきます。
この、毎日の無為なだらだらっぷりが、悲しいかなわが身と重なってしまい、
たのしいような、そうでないような、あまり客観的に感想をまとめられない感じになってしまいました。
「詩歌の待ち伏せ2」北村薫
1と同じく、作者の詩、ことばとの出会いのエッセイ集。
追いかけた道筋が説明されていて、追体験できる気分になります。
実際にこれだけの資料を当たるのは、無理がありますが。
前回に比べると、今回のほうは調べ物という感触が強いかな、
と感じました。
それにしても、普段のんべんだらりと読書してるだけでは、
気がつかないようなものに、気がついて調べてしまう作者の
博覧強記ぶりはすばらしいと思います。
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「機長からアナウンス 第2便」 内田幹樹
以前に読んだ、航空業界の内部に関してのエッセイ続編。
今回も面白かったです。前に比べると業界の話など、
広い視点の固めの話が増えたようにも感じます。
今回も、空を飛ぶのは気持ちよさそうだと感じました。
内容も面白くて、丸。
「マンボウ阪神狂時代」 北 杜夫
北杜夫の本ということで購入しましたが、
プロ野球をあまりしらず、まして阪神ファンでない自分では、
おそらく半分も楽しめてないと思います。
また、昔からのエッセイをまとめたものなので、1960年代~1970年代の
話が半分ぐらいありますが、そのころは歴史としてしか知らないため
ここも、文章はリアルタイム、感覚は歴史上という不思議な気分で読みました。
阪神ファンじゃなくとも、昔から野球を見ている人が楽しめる資格を持っています。。
「街の灯」 北村薫
北村薫のミステリです。
「円紫さんと私」、「覆面作家」、のような、探偵役とワトソン役に近いものです。
ただし、時代は昭和7年と大分昔。そのせいで、日常を描いていても今の自分たちからすると
日常ではなく、読みやすい時代小説(もしくは、歴史漫画か?)のような印象です。
どうしても、思い入れの強い「円紫さんとわたし」に比べるてしまうけれど、
似ているようで、比較対照ではないような少し違った印象も受けました。
それでも、情景の描写はいつもながらで、さりげなくきれいでした。
「機長からアナウンス」 内田幹樹
床屋と、病院の待ち時間で読み終わり。
機長として、航空の世界の裏側を教えてくれるエッセイ。
日常と、あまりに違うせいかかなり楽しく読めました。
文章がうまいからってのも大きいと思います。
内容は、多岐にわたっていて、パイロットの日常から、
乗ってきた飛行機の変遷までいろいろです。
世界中にいけて、いいなと思いますが、
なかなかしんどい仕事のようです。
なかなか楽しいのでおすすめ。